練習船・日本丸に乗船した体験記!1ヶ月間の船旅の内容まとめ

みなさんは、日本丸をご存知ですか?

日本丸は、独立行政法人・海技教育機構が所有する練習船で、初代は国の重要文化財に指定され、今は2代目が使われています。

将来船乗りを志す実習生たちが乗り込み、航海の訓練を受けているのです。

実は僕も海技教育を受けているので、日本丸での実習に参加し、1ヶ月間の航海に出たことがあるのです。

実習生としての船旅なのである意味ハードな旅でしたが、人生でそう味わえない貴重な体験ができたので、今日はその時のことをお話ししようと思います!

それでは、出航〜!

練習船・日本丸での船旅の体験内容

2017年7月21日、日本丸での実習が始まりました。

今回の船旅は、東京都の晴海埠頭から出航し、太平洋側から日本沿岸を上って北海道まで行きます。

次に日本海側から下っていき、富山での停泊をはさんで関門海峡まで行き、そこから瀬戸内海を通って神戸まで行くというコースです。

本州を反時計回りに回るといった感じですね。

これが今回の航海スケジュールです。

7月23日晴海埠頭出港、東京湾(仮泊)
7月26日千葉県・館山湾(仮泊)
7月30日北海道・室蘭港
8月5日青森県・陸奥湾(仮泊)
8月12日富山県・伏木富山港
8月18日兵庫県・神戸港

そして、今回はただの船旅ではなく実習なので、その生活ややることも変わってきます。

行動の時間が決まっていたり課業があったり、当直という仕事の分担があったりと、自由は大幅に制限されます。

ただし休暇ももちろんあって、北海道の室蘭港や富山県の伏木富山港では、自由に行動できる上陸の日がありました。

それでは、その活動内容を掘り下げていきましょう!

1ヶ月船旅の始まり・乗船式

実習初日、まずは乗船します。

東京湾の晴海埠頭に、日本丸が止まっています!

この日はお昼の13時集合でした。

船の生活はかなり時間に厳しく、出航時間に少しでも遅刻をすると置いてきぼりになり、クビになってしまうので絶対に遅れられません!

船に乗り込むときは、これまで見張りをしてくれていた作業員さんや航海士さんにお礼を言います。

「ありがとうございました!」

逆に、降りるときは「お願いします!」と言います。

船に入ると、自分の部屋に荷物を置きに行きます。

自分の部屋と言っても、船は狭い空間ですから実習生に1人部屋なんて与えられません。

1つの部屋に8人ずつ入り、2段ベッドが4つ用意してあります。

自分のベッドやロッカー以外は公共のスペースなので、荷物を置いてはいけません。

狭いんですよね〜、これが。( ; ; )

その日は、乗船式がありました。

これから1ヶ月間、一緒に生活する仲間や指導教官たちと顔を合わせ、船長からのお話もありました。

船の中には危険がたくさんあるため、ルールが厳しいですが、しっかりと守って生活しなくてはいけません。

自由な生活とは程遠く、「帰りたい・・・。」素直にそう思いました。笑

船旅中の生活とルール

実習期間の主なスケジュールは、こんな感じです。

0630総員起こし→集合→体操→掃除
0715朝食
0830集合→午前課業スタート
1130昼食
1300集合→体操→午後課業スタート
1600午後課業終わり
1630夕食
1730夕課業
1945掃除
2000巡検
2230消灯

朝の集合合図「総員起こし」

「総員起こし」というのは、朝「起きなさい」と放送がかかるのですが、この放送で起きるわけではないのです。

この放送がかかる前に、歯を磨いたり着替えたりして甲板に集合していなくてはいけないのです。

しかも、船の生活は5分前行動が原則。

6時25分までには整列しておかなくてはいけません。

もしも遅刻をしたら、「航海科○班の××です。遅れてすみませんでした!」と、みんなの前で言わなければいけません。

とても恥ずかしいですね。笑

しっかりさせられる船内掃除

キツかったのは、その後の体操からの掃除。

朝っぱらから大きな声で体操し、急いで掃除の担当場所に行き、時間いっぱい掃除します。

もちろんトイレ掃除に当たったときも、しっかりと便器を磨きます。

まだ眠い中、これはキツかったですね。笑

また、「タンツー」という作業があるのですが、これはヤシの実を使って甲板を掃除することです。

裸足になり、ホースで水を流しながら「ワッショイ、ワッショイ!」と叫びながら、タワシでゴシゴシ磨くように掃除していきます。

これは朝の掃除の時にやるのですが、船の名物みたいになっていますね。

嫌だという人も多いのですが、個人的には意外と楽しいと思っています。

食事はパッパと食べる

船の中での食事は、僕たちが作るわけではなく、料理担当の司厨係の方たちに作ってもらいます。

その代わり、テーブル拭きやゴミ出しなどは決められた担当班が行うことになっています。

席は指定されているわけではなく、友達と自由に食べることができます。

しかし、のんびり食べていてはいけません。

後片付けの係や司厨係に迷惑がかかるので、パッと食べ終わらなければいけないのです。

課業はしっかり取り組む

夕別科はない日もありましたが、午前課業と午後課業は実習のメインですね。

船が停泊しているときは教官の指導の下、座学や実習を行います。

火事になったときの対処法や避難訓練、航海器具の取り扱い、機械や道具の構造、法律や信号などを勉強します。

実習期間に1度テストがあるので、学んだことはちゃんと覚えていないといけません。

チェックの厳しい巡検

巡検とは、巡回検査のことです。

船に異常はないか、部屋の掃除はきちんとしてあるかを毎日確認されます。

時間までに掃除を終え、身だしなみをきちんと整えて担当教官が巡回に来るのを静かに待ちます。

問題がある場合は、それが解決するまで何度もやり直しをさせられます。

早く自由時間がほしいので、ここは1発で通りたいですね!笑

船旅中の仕事

船の見張りをしたり、点検したりといった仕事を担当することを、当直といいます。

当直には、船が止まっているときの停泊当直と、走っているときの航海当直があります。

停泊当直で行うこと

停泊当直では、船が港に停泊している間、または錨を使って錨泊している間、2時間ずつ交代で見張りや気象観測を行います。

見張りは、こちらに向かって衝突しそうなぐらい近づいてきている船はないか、近すぎる場所に停泊しようとしていないかなどを見ます。

朝担当の人は、6時5分前には集合しなくてはいけません。

早い・・・。

航海当直で行うこと

さて、いよいよ出航です。

出航と言っても、基本的には港や湾内に停泊や仮泊をしていることが多く、船を走らせているのはトータルで1週間ぐらいでした。

そんな短い期間でしたが、航海当直はとても印象に残っています。

航海当直は4時間ごとに交代して行い、1日に2回当たります。

具体的にはこんな感じです。

0→4(ゼロヨン)0時から4時と12時から16時
4→8(ヨンパー)4時から8時と16時から20時
8→0(パーゼロ)8時から12時と20時から0時

最も人間らしい生活ができるのは8→0の時で、あと2つは深夜に起きたり昼間に寝たりする必要があります。

この4時間で、航海当直に当たっている班は、機関科では機関室(エンジンルーム)の点検や見回り、計測などを行います。

そして航海科では、号令を出したり舵を切ったり、見張りやレーダー当番、気象観測などを行うのです。

覚えることが多くて混乱しましたが、やっているうちに少しずつ慣れていきました。

当直と当直の間の時間は、自由に休憩できます。

ただし他の船員さんたちが寝ているので、あまりギャーギャー騒いだりはできません。笑

休憩中、小さな部屋の窓から頑張って海を撮ってみました。

船から見る海の写真って、なかなかいいものですよね。

後から見るとそう思うのですが、このとき僕はこれから始まる20日以上の旅に、不安だらけの思いでこの海を見ていました。笑

船旅中の上陸

これまで見てきた通り、船の実習は結構厳しいところがあります。

しかし、1ヶ月間ただただ地獄だったわけではありません。

ちゃんと楽しみは用意されており、それが総員上陸なのです。

これは、陸上でいう休暇のようなもので、港に着いたら陸に上がって自由に行動できるのです。

今回の航海では2ヶ所、北海道の東室蘭と富山県の伏木富山に上陸しました。

やっと旅っぽくなってきましたね!笑

北海道・東室蘭での自由時間

7月30日、室蘭港に到着して、31日・8月1日と総員上陸がありました。

東室蘭というところで船を降りると、地元の方々が歓迎会をしてくださり、そのお礼にと日本丸をライトアップしました。

しかし、東室蘭は北海道の方でもすごく田舎の方だったので、電車に乗らないと買い物できるところはほとんどありませんでした。

それに自由時間は限られていて、21時半までに船に戻っていないと大目玉です。

ただ、休みは2日あったので、宿泊したい人は希望を出せば宿泊でき、北海道を満喫していたみたいです。

大して移動もできず、近所を散歩していた僕は、そうしとけば良かったとちょっぴり後悔・・・。笑

富山県・伏木富山での自由時間

8月12日、伏木富山港に入港して、13日、14日と総員上陸がありました。

今度もまたものすごい田舎で、何をすればいいか分かりませんでした。笑

近辺には路面電車が走っていたので、友達を誘って高岡駅まで行きました。

やっと都会に出た気分・・・笑

お店に入ってハンバーガーを食べると、普段は何でもないことなのにすごい自由を得た気分でした。笑

2日目は伏木富山の街をずっと散歩していました。

思ったのは、少しの自由時間をもらっても、できることは限られているということ。

「○時までに帰らなければいけない」と思っていても、旅を楽しむことはできません。

「本当の自由がほしい」ー下船のときは、近づいています。

1ヶ月の船旅のゴール・神戸港!

8月18日、富山から日本海を渡り、関門海峡を通り瀬戸内海を越えた日本丸は、ついに最終寄港地の神戸港に到着しました。

しかし、まだ降りられません。

最後に大掃除をし、帰る準備を整えてようやく下船式です。

8月20日、ついに監獄のような生活から開放されました。笑

厳しかった士官の方々とも、最後は笑顔で写真を撮ります。

同じ班のメンバーも、嬉しそうにしていました。

辛かった実習も、最後は笑顔で!

こうして、1ヶ月間お世話になった日本丸と、お別れしたのでした。

まとめ

いかがでしたか?

自由を愛してやまない僕にとって、時間や場所、行動などにものすごい制限がかかり、正直なかなかキツい実習でした。笑

「そんちょー!ええ加減にせーよ!」何度、士官に怒鳴られたことでしょう・・・。笑

しかし1ヶ月もの間、それを共に乗り越えてきた仲間との思い出は、今でも宝物です。

キツいがゆえに、仲間がいるのが本当に心強く、とても充実した体験になったと思っています。

少しくらいハードな旅でも、たまに経験するならいいものですね!

それでは、また次の記事でお会いしましょう!(^O^)/