裏世界ピクニックの閏間冴月(うるまさつき)の正体は?鳥子・小桜との関係や失踪の謎を考察

『裏世界ピクニック』の話の中で度々出てくる、閏間冴月。

鳥子や小桜が探し求めているその存在ですが、本当に謎多きキャラクターです。

今回は、そんな閏間冴月の過去をまとめ、正体や目的を考察していこうと思います!

閏間冴月の外見やキャラクター

空魚たちと直接かかわったり話したりするシーンはありませんが、閏間冴月のキャラクターを見ていきましょう。

裏世界の研究をしていた冴月はある日突然姿を消し、それ以来人間とは思えないほど不気味な姿で、空魚や鳥子たちの前に現れます。

空魚は青い右目を使って特別に冴月の姿を見ることができますが、普通の人には見えないため、冴月のことを裏世界のどこかで無事に生きていると信じて必死に探している鳥子たちには、そのことを伝えられないでいます。

閏間冴月の外見的な特徴は、背が高く、切り揃えられた真っ黒な長い髪で、黒くて縁の太い眼鏡をかけています。

目つきは悪く、黒衣を身にまとっていますが肌は白く美しい顔立ちで、空魚曰く「ある種の優美さと迫力が感じられる」とのこと。

小桜は彼女のことを、「寄ってくる人間を片っ端から魅了して都合よく利用する、生まれながらのアルファ・フィメール」と表現しています。

アルファ・フィメールというのは、群れを支配する雌や、女性の指導者、自信があって意欲的、社交的な女性という意味です。

ここでいうアルファ・フィメールは「モテモテの女」って感じでしょうか?

とにかく、小桜も鳥子もそんな冴月にすぐに魅了されていったのでした。

失踪前の閏間冴月

閏間冴月は、行方不明になる前と後とでは全くの別物と考えられます。

まずは、彼女が行方をくらます前のまともな人間だったころの活動を振り返ってみましょう。

鳥子との関係

鳥子は、閏間冴月が行方不明になる前に最後に接触した人物です。

元々は、家庭教師をやっていた冴月。

鳥子はカナダ出身ですが、友達を作るのが苦手で、日本の高校にはほとんど通わずに引きこもっていました。

そのため、大学に行くには高校卒業認定が必要だったのですが、その時についてもらったのが、閏間冴月でした。

頭はいいのか、学校の勉強は簡単だから家庭教師は要らないと思っていた鳥子でしたが、勉強以外にもいろいろな裏世界のことを教えてくれる冴月に、すぐに惹かれていきました。

家庭教師としてだけでなく友達としても接してくれた冴月は鳥子にとって、特別な人誰よりも大切な人だったのです。

そんな特別な人が突然音信不通になり、そこから冴月は行方不明になってしまいます。

鳥子が空魚と出会う3か月ほど前のことです。

心配になった鳥子が一人で冴月を探して裏世界をさまよっていたところ、溺れて死にかけていた空魚と出会ったのでした。

小桜との関係

小桜は、冴月とは大学の同期でした。

裏世界の存在に気づいた冴月は、小桜を一緒に研究しようと誘うようになります。

しかし積極的に裏世界に足を踏み入れる冴月とは違い、怖がりな小桜は行きたがりません。

3回ほど裏世界に足を踏み入れたものの、裏世界に行くことを小桜が拒否してから、2人の関係はうまくいかなくなりました。

そこで冴月は、一緒に裏世界を探検してくれる新しいパートナーとして、教え子だった鳥子に声をかけたのです。

DS研での閏間冴月

閏間冴月は、DS研という組織に所属して、裏世界の情報を掴むべく活動していました。

小桜も冴月に誘われてDS研に所属することになったのですが、冴月が行方をくらましてからは代わりを務めるような形になってしまいました。

では、そのDS研とはどのような組織なのでしょうか?

DS研とは?

DS研は正式名称を「一般財団法人 DS研究奨励協会」といい、裏世界の情報を交換している民間の研究所です。

DSというのは「ダークサイエンス」の略で、科学における未知の分野、未踏科学のことです。

・・・何だか怪しい組織みたいですね。

1990年代前半に設立され、裏世界から持ち帰った異物を研究していました。

元々はある大手電機メーカーが内々に始めた「新しい時代の生命科学を探求する」という勉強会で、ヨガや仙道の行、瞑想などによって「精神の拡張」を図っていたのです。

う~ん、怪しさ満点!笑

そのとき瞑想をしていたあるメンバーが裏世界への入り口を発見したことで、裏世界の探索が始まったのでした。

DS研は元々裏世界を探索するために設立されましたが、研究開始後、次々に裏世界の干渉を受けた人間の被害が発生しました。

命を落とす人はもちろん、生きていても体が著しく変形したり、コミュニメーションを取るのが不可能になったりして、社会生活を送るのが不可能になった人たちが続出し、探索は打ち切られました。

代わりに、被害に遭った人たちを保護して治療方法を探ることが主目的になったのです。

その被害者たちの中にはもともとDS研創設に関わった企業の重役や代議士の関係者、家族や本人もいて、その関係者からDS研に資金援助がなされています。

「金は出すからうちの子を治す方法を見つけてくれ!」ということみたいです。

くねくね退治のとき持ち帰った結晶を高値で買い取った小桜の資金も、ここから出ていたんですね。

しかし治療の糸口すら見つからず、ほとんど何もできないまま、何かの役に立つのではないかと裏世界の異物を集めているというのがDS研の現状です。

閏間冴月の活動方針

そんなDS研で活動していた閏間冴月。

彼女は数年前にDS研を訪れ、より安全な方法で裏世界を行き来できると言い、研究員となりました。

空魚や鳥子が裏世界を発見するずっと前から、裏世界のことを知っていたんですね。

冴月はDS研の神秘的なアプローチとは違い、怪奇現象の起こった現場や事故物件などの場所を使うといった、即物的なアプローチで裏世界に侵入していました。

そして裏世界の調査範囲を広げるため、有望そうな人材をスカウトして、一緒に探索に出かけていたのです。

後に空魚と同じ大学の1年生で空手部の瀬戸茜理(せとあかり)も冴月の教え子だったことが分かるのですが、鳥子も、そんな「有望そうな人材」の1人に過ぎなかったというわけです。

小桜の言っていた「寄ってくる人間を片っ端から魅了して都合よく利用する、生まれながらのアルファ・フィメール」というのは、こういう活動方針を取っていたからだったんですね。

こうして小桜も鳥子も、人たらしな冴月に魅了されて裏世界の探索に駆り出されたのでした。

失踪後の閏間冴月

謎の失踪の後、閏間冴月は度々裏世界に出没しますが、空魚が右目で見た冴月の姿や印象はその時々で変化しています。

閏間冴月の正体を考察するために、まずは失踪後に登場した冴月の様子や行動を挙げていきたいと思います。

小桜と裏世界に迷い込み遭遇

最初に閏間冴月が空魚の前に現れたのは、小桜と一緒に裏世界に迷い込んだ時でした。

喧嘩した鳥子を追いかけて裏世界に入り込み、やっと見つけたと思ったら、2人の目の前に姿を現します。

このときは鳥子も視認できていて、青い空間に浮かんでいる冴月に吸い寄せられていきました。

スケールの掴めない距離感で、とてつもなく巨大。

右目で見ると、数百枚の羽根を持つ巨大な風車の中央に女の顔があるという、不気味な出で立ちをしていました。

両目は空魚よりも凄まじい青色をしていて、空魚はこの冴月が人間ではないと直感しています。

裏世界の浜辺に出現

次に閏間冴月が現れたのは、鳥子と2人で裏世界の浜辺に行きつき、リゾートを楽しんだ時でした。

次々と不気味なことが起こり、八尺様の持っていた帽子を使って表世界に脱出する瞬間、空魚は閏間冴月のシルエットを目撃します。

コトリバコとともに出現

小桜とともにDS研を訪れた空魚と鳥子は、閏間冴月が残したノートを見つけます。

そのノートには訳の分からない文字が書かれていましたが、空魚の右目を使うと、呪文のような言葉が読み取れました。

その呪文を読み上げると、コトリバコという、強烈な呪いのこもった箱を持った閏間冴月が姿を現したのです。

空中に浮いた冴月は深々とうつむき、だらんと手足を垂らしていて、空魚はひどく不吉に感じています。

その冴月は一瞬で消えるのですが、コトリバコを開けて入り込んでしまった裏世界の深部に再び現れました。

右目で見ると、最初に冴月を見た時の風車のような姿ではなく、今度はちゃんと人間の形をしていました。

その冴月には6発も銃が命中したのに血は1滴も流れず、ゆっくりと打たれた箇所に空いた穴が再生していきます。

コトリバコの呪いで死にそうになっていた鳥子を助けると、閏間冴月は空魚に囁きます。

「あなたも―、―しましょうね」

空魚は言葉を認識できませんでしたが、とてつもなく恐ろしいことを言われたという印象を抱きました。

さらに激烈な恐怖を抱きながら冴月を見上げると、冴月がウルトラブル―の向こうと繋がっていると感じます。

ウルトラブル―は、裏世界と通じる濃い青色のことですね。

ウルトラブル―の向こう側には巨大で異質な「何者か」が存在し、人間に恐怖と狂気を与えることでコンタクトを取ろうとしている。

以前鳥子がそんなことを口走っていたのですが、空魚もその「何者か」の気配を感じたのです。

ピクニック中に見つめていたホログラム

空魚と鳥子は裏世界の安全なルートを確保すべく、農業機器AP-1に乗って出発します。

お弁当を持っていって一緒に食べたり、ヤマノケという怪異に乗っ取られたりとハプニングもありながら、2人はルート「一号線」を引くことに成功します。

この探検は最初に小桜屋敷のゲートから裏世界に入ってからまた戻るまで、ずっと閏間冴月が付きまとっていました。

このときの冴月は希薄な気配でプレッシャーがあまり感じられず、空魚はホログラムのようなものだと理解します。

ずっと鳥子に視線を向けたまま静止画のように身じろぎしないので、空魚はとりあえず無視をして移動していました。

しかしその冴月は何をするでもなくついてきて、ただただ不気味なだけでした。

池袋の横断歩道に出現

空魚が次に閏間冴月を目撃したのは、池袋のジュンク堂書店で鳥子と待ち合わせ、小桜屋敷に向かおうと外に出た直後でした。

横断歩道の向こう側で写真を張り付けたように周囲から浮いていた冴月は、今度も静止画像のように動かず何もしてきませんでした。

やがて周囲の人ごみが動きだすと、もうその姿はありませんでした。

小桜屋敷からの帰り道に出現

次に閏間冴月が現れたのは、小桜屋敷からの帰り道。

閏間冴月に通じると思われる潤巳るなという人物のささやきボイス動画を視聴して家まで帰る途中、空魚は不意に髪を引っ張られます。

見ると鳥子と小桜の後ろに閏間冴月が現れ、すっと鳥子に腕を伸ばそうとします。

間一髪で庇った空魚でしたが、見下ろす冴月の恐ろしい青色の目を見て、一瞬気が遠くなってしまいます。

次の瞬間、空魚と小桜は何者かに連れ去られてしまうのです。

潤巳るなが見ていた動画に現れる

空魚たちが拉致された先は、潤巳るなのアジトでした。

彼女は閏間冴月を慕い、冴月に与えてもらったというささやきボイスで、多くの仲間を従えていました。

そのささやきボイスを聞くと聞いた人の心を支配し、るなのことを信仰させるような能力を持っていました。

それはまるでカルト宗教の教祖と信者たちのようで、空魚が最も嫌悪感を抱くタイプの人種でした。

潤巳るなは現在高校生ですが、中学のころから動画の配信をしていました。

しかし再生数は伸びることがなく、参考にするためにほかの人のASMR(音フェチ動画)を聞いていました。

その中の一つに、閏間冴月が現れたのです。

動画のタイトルは『ブルーワールド』

その動画の中でるなは、頭の中に「神様」が現れたと言っています。

とても大きくて怖くて、人間とは全然違う「神様」。

そのまま聞き続けていると、神様の言葉を伝える女の人が出てきました。

それが、閏間冴月だったのです。

その瞬間るなは、今まで冴月のために生まれてきたのだと理解します。

そして冴月は、るなに声を与えました。

こうしてるなは、声を発すると誰にでも言うことを聞かせられる能力を手に入れたのでした。

この一件以来、るなは冴月を崇拝するようになります。

最終決戦

最後に閏間冴月が現れたのは、DS研にある裏世界の異物の保管庫でした。

くねくねを退治したときに鏡石を手に入れましたが、それが閏間冴月の姿を映し出していたのです。

そのとき保管庫にいたのは空魚、鳥子、小桜に潤巳るなとその母親、そしてルナが率いてきたカルト集団の中の数名。

冴月は鏡石を使って、そこにいる全員を裏世界の草原へと誘ったのでした。

今まではほとんど空魚にしか見えていなかった冴月ですが、今度はそこにいる全員から見えていました。

鳥子が冴月に駆け寄り、手を取ります。

鳥子は後で、この時の冴月の手は冷たかったと言っています。

青い両目で見返す冴月に、小桜は「あたしの知ってる冴月じゃない」と言っています。

空魚は鳥子を冴月から離れさせますが、まだ冴月を崇拝対象としていたるなは、冴月に裏世界の果てまで連れて行ってくれるようにお願いします。

母親が危険に気づいて庇うと、冴月はるなの目の前で母親を殺害してしまったのです。

さらに冴月がその手で絶望するるなの顔を触れると、るなの顔はグロテスクに変形してしまいます。

るなはカルト集団の中に第四種接触者(裏世界の影響で人体に変化が起こってしまった人)を飼っていましたが、その第四種も冴月によって変形させられてしまいます。

別の第四種が表世界へ抜けるゲートを作り出すと、空魚と鳥子はるなを含めたみんなを脱出させることに成功します。

勝負でいうと、手に負えなかったけれど何とか逃げ帰れた、という感じですね。

しかし、これ以上追ってくるということもなく、閏間冴月はこれを機に姿を現さなくなります。

閏間冴月失踪の謎や正体を考察

さて、『裏世界ピクニック』に登場する閏間冴月の行動や特徴を長々と書いてきましたが、これらのことから冴月について言えることは何でしょう?

最初に言っておきますが、閏間冴月の正体も目的も、答えは一切分かりません。

原作で明かされていないですし、そもそも明かす必要はないことなのかもしれません。

しかしそれでは気持ち悪いという方もいると思うので、僕なりに考察してみました。

仮説1:神様の預言者となった

これは、元々人間だった閏間冴月が裏世界の干渉を受け、怪異のような存在になったというパターンです。

作中では第四種接触者という表現をしていますが、裏世界の影響で人体に変化が起こった人も、さまざまです。

空魚や鳥子のように自我が保て、普通の人間と大して変わらない姿でいられるパターンもあれば、怪物のように変形し、生きているか、苦痛を味わっているのかさえ分からないパターンもあります。

そんな第四種接触者の中でも、閏間冴月は幸運にも「神様の預言者」という、選ばれし者になったと考えます。

裏世界には、青い光の奥深くに「神様」のような存在がいて、恐怖や狂気によって人間にその存在を理解させようとしていると、空魚や鳥子は度重なる裏世界への接触で悟っています。

怖い、でも知りたいという人間の好奇心を利用して、青い光を越えさようとしている、何者かの存在。

潤巳るなも、『ブルーワールド』という動画を見ていたとき、閏間冴月が「神様」の言葉を伝えていたと言っています。

どういう経緯かは分かりませんが、閏間冴月は「神様」のような何者かの存在を人間に伝える役割を担うようになったというのが、1つ目の仮説です。

仮説2:死亡した

閏間冴月の失踪は彼女の死を意味し、その後空魚たちの前に現れたのは別の何かだったというパターンです。

裏世界には様々な危険があるため、単独でも探検に行っていた閏間冴月は、当然死んだとも考えられます。

きさらぎ駅に迷い込んだ米軍も、多くが命を落としていました。

では、その後空魚たちの前に現れた閏間冴月は、何だったのか。

前項同様、裏世界には青い光の奥深くに「神様」のような何者かがいて、その存在を人間に認知させようとしていると仮定します。

その「何者か」は空魚たちに認知させるために、表世界では一見冴月に見える何かを送り込んだ、とも考えられます。

鳥子のように冴月を探し求めている人なら、必ず食いつくでしょうからね。

空魚に見えていた風車のようなものはそのまま風車だったかもしれませんし、右目で見ても人間のままだったときは、そのまま冴月の遺体だったのかもしれません。

仮説3:人間ではなかった

最後は、「閏間冴月」という人間は最初から存在せず、裏世界の生き物だった、というパターンです。

「時空のおっさん」のように、普通の人間の目には人間にしか見えないけれど、実は表世界の存在ではなかった、というのに似ていますね。

閏間冴月はかかわった人を途端に魅了し夢中にさせていましたが、それも裏世界の住人ならではの何かしらの能力だったと考えると、納得がいきます。

ここで気になるのは、閏間冴月との最終決戦のとき、小桜が「あたしの知ってる冴月じゃない」と言っていたことです。

つまり、冴月は失踪する前と後で明らかに様子が違うということです。

もしかしたら冴月は、表世界で人間と接するときは人間の姿をしていましたが、小桜が見た時は裏世界での「本来の姿」に近づいていたのかもしれません。

鳥子も、最後に会ったときとは違い、冴月の手は冷たく血が通っていないみたいだったと言っているので、失踪前には本当に人間と同じような体のつくりだったのかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたか?

作品1番の謎キャラクター・閏間冴月についての考察でした。

正直どの仮説もありそうでなさそうなモヤモヤとしたもので、「これだ!」というものはありません。

今後の展開で明かされるかどうかも不明ですし、作者は閏間冴月という存在をあえて謎のままにしているのかもしれませんね。

もし分かってしまったら、あなたは裏世界から二度と戻って来られませんよ・・・的な。笑

それに、分かってしまったら怖くなくなってしまうのかもしれません。

怪談話には、分からないからこその恐怖がありますからね。

それでは、長々とお付き合いいただき、ありがとうございました!